三重県名張市は11月20日、一般会計の中期財政計画2023年度ローリング版を市議会全員協議会で報告し、28年度までの収支見通しを明らかにした。市の貯金に当たる財政調整基金は28年度に枯渇すると試算しており、市は併せて公表した24年度予算編成方針で年間2億5000万円の削減目標額を定め、財政運営の見直しを図る。
市によると、一般会計の収支は23年度は黒字を見込むが、独自課税「都市振興税」(約8億5000万円の一般財源)が今年度で廃止されることや扶助費の増大などが影響し、24年度以降は赤字が続く見通し。
財政調整基金は、13年度末に59万円まで枯渇したが、近年は積み立ててきた。23年度末の残高は21億7600万円を見込むが、24年度以降は毎年、赤字の穴を埋める取り崩しが続くため、28年度にはゼロになる見通しとなった。
厳しい財政状況を受け、24年度予算編成方針ではシーリング(予算要求枠)を設定。委託料は23年度当初予算より5%削減、投資的経費(建設事業)は中期財政計画内示額より30%削減、人件費は時間外勤務手当を22年度決算より20%削減を目標などとし、経費削減を図る。新規事業1つに対し既存事業1つを廃止する「スクラップ&ビルド」の徹底や、契約・発注内容の見直しなども進め、削減目標額の達成に向けて取り組む方針。
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