三重県名張市の地域力創造アドバイザーに委嘱された水族館プロデューサーの中村元さん(67)が講師を務める「名張観光の集客アップ戦略セミナー」(市と市産業活性化推進協議会の共催)が9月26日午後1時30分から、市防災センター(鴻之台1)で開かれる。セミナーを前に中村さんは市役所で会見し、同市の観光振興への考えを語った。
中村さんは嬉野町(現・松阪市)出身。元鳥羽水族館副館長で、独立後にサンシャイン水族館(東京都豊島区)など全国十数か所の水族館のプロデュースやリニューアルを手掛けてきた。宿泊施設や観光施設のバリアフリー化を集客増につなげる取り組みにも実績がある。
今年、総務省の事業を通じて名張市への招へいが実現。アドバイザーの任期は5月から来年3月末までで、これまでに同市の景勝地・赤目四十八滝の視察や関係者との意見交換などをしてきた。
8月28日の会見で中村さんは、2022年の観光入込客数が平成以降初めて10万人を下回った赤目四十八滝について「日本人が好きな清流と滝のある自然で、手軽に行くことができる」と強みを評価する一方、知名度の不足を指摘。これまでの取り組み経験から、時間的な余裕があり平日の入山が見込める高齢者へのPRが重要とした。また、車いすでも一部の滝を見に行けるようなバリアフリー化も考えるべきと強調した。
渓谷入り口にある日本サンショウウオセンターについては、川の魚やカエル、コケなど渓谷の自然や生態を見せる展示も行うことで「特別な水族館になる」と話した。市がPRに力を入れるオオサンショウウオについては「もう京都水族館のシンボルになってしまった。渓谷や忍者、文化と掛け合わせて上手く活用すべき」との考えを示した。
26日に市防災センターでセミナー
セミナーは参加無料、事前申し込み不要、定員50人。
問い合わせは、市観光交流室(0595・63・7648)まで。