【受賞作品「虹音キックオフ」とsioさん=伊賀市役所で】

 スポーツを題材にした障害者の「パラリンアートカップ2022」で三重県伊賀市在住のsioさん(42)が出品した絵画「虹音キックオフ」が準グランプリを受賞した。

 同コンテストは東京都港区に運営事務局を置く「障がい者自立推進機構」の主催。審査では応募作154点の中から上位29点を選んだ後、最優秀作品のグランプリ1点や準グランプリ2点などを決定した。

 sioさんは県立名張高から大阪府内にある美術関係の専門学校に進学。さまざまな職種に就いたが、30代前半で発達障害と診断。実家に引きこもる生活を送っていたが、水族館の生物などを描き始め、現在はNTTグループの会社で「アート社員」として在宅勤務しながら同社の関連商品などの絵を描いている。

 受賞作品はゴールキーパー以外の選手がアイマスクを着け、転がると音が出る球と声によるコミュニケーションでプレーする視覚障害者の競技「ブラインドサッカー」がテーマで、液晶画面付きパソコンのペンタブレットで制作した。回転時に「シャカシャカ」と鳴る球の音を虹のような色の階調などで表現したという。

 表彰式は3月に都内であり、今月1日には地元市役所を訪問し受賞を報告。sioさんは「大好きな恐竜がテーマのおしゃれな作品を描きたいし、おばあちゃんになるまで続けたい」と語った。

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