【主催する三弥さんの追善公演のポスターを手にする三成さん=三重県名張市南町の株式会社ユー本社で】

 4年前に47歳で急逝した名張市初代観光大使で落語家の桂三弥(本名・三成忠司)さんの兄で会社員の三成知弘さん(54)が、「弟が生きた証をずっと残したい」との思いから芸名を冠した「桂三弥株式会社」を同市で立ち上げた。7月22日には、師匠の桂文枝さん(79)一門が総出演する三弥さんの追善公演を市内で主催する。

名張市観光大使に委嘱された時の三弥さん(2012年4月4日撮影)

 三弥さんは市立桔梗が丘東小から北中、名張桔梗丘高を経て神戸学院大を卒業した後、当時、三枝の名で活躍していた文枝さんの11番目の弟子になった。上方落語協会の他、テレビやラジオなどでも幅広く活躍していたが、2019年6月に亡くなった。

 死去から半年後、三成さんの元に文枝さんから「追善公演を開きたい」と打診があり、「願ったりかなったり」と開催に向けた準備を進めた。コロナ禍での停滞もあったが、今年ようやく実現した。当初は大阪で開く話もあったが、三弥さんが小中高時代を過ごした名張市での開催を三成さんが要望したという。

 三弥さんの名を冠した会社は、三弥さんの誕生日に合わせて22年9月28日に設立。同市桔梗が丘5番町の空き家を買い取って事務所を開いた。

 事業は、名張の地域おこしのための落語会の定期開催の他、市内で増加する空き家をリフォームした不動産賃貸業を営む。事務所には、三弥さんの活動記録などを紹介するギャラリーも設ける。

 三成さんは「やっと開催にこぎ着けることができた。当日は満席にしたい」と来場を呼び掛ける。今後については「名張のまちおこしに貢献しながら、桂三弥の名を未来永劫、残していきたい」と話した。

 「六代文枝一門会~三弥追善公演~」は7月22日午後2時から、同市松崎町のadsホールで開かれる。チケットは前売り3800円、当日4000円で全席指定。同ホールなどで販売している。

 問い合わせは同社(0595・48・6538)まで。

2023年6月10日付845号1面から

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