【市職員を対象に開かれたコンプライアンス研修=名張市役所で】

 三重県名張市発注の公共工事を巡る贈収賄事件を受け、市は5月23日、パートタイムの会計年度任用職員を除く全職員を対象にコンプライアンス(法令順守)研修を始めた。26日までの4日間で、計479人が受講するという。

 市役所(鴻之台1)の大会議室で23日午前中にあった研修には、95人が参加。冒頭で田中克広総務部長は「事件がなぜ起こったのか、組織としてなぜ未然に防げなかったのか。職員一人ひとりが自分ごととして考え、市民の信頼、信用回復に向け危機感を持って取り組んでほしい」とあいさつした。

 講義は同部の法務担当職員、谷口寛朗副参事(弁護士)が担当し、過去の同市の不祥事などを取り上げながら「業務に慣れているから不正なことをしないなどと、安易に担当者を信じることは危険」など指摘。再発防止策として「不当な要求に応じない」「利害関係者との関わりに注意を」などと呼び掛けた。

 同市で昨年度に発生したハラスメントや不適切事務などの不祥事の防止にも触れた他、違法な行為を目撃したら公益通報するようを求めた。

 医療職や保育所の職員、消防職の一部は、6月中に動画での研修を予定。この研修とは別に、6月5日には契約業務を担当する職員約50人から100人を対象に「官製談合防止研修」も実施するという。

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