昨年末から三重県伊賀市下友田の鞆田川で土砂撤去工事を実施した地元建設会社の関係者や住民らが4月22日、工事箇所で捕獲し一時保護していた巻き貝「カワニナ」数百匹を川に戻した。この地域で初夏に見られるホタルの幼虫はカワニナを主食にしているとされ、住民らは近い将来ホタルが戻ってくることを期待して放流した。
工事を請け負った同市玉瀧の「竹島建設」(竹島昌七社長)では、工事開始前の昨年11月に数百匹のカワニナを捕獲。水槽に入れて事務所で保管し、淡水魚用の餌を与えるなどして管理してきた。同社は県のSDGs推進パートナー企業として、環境に配慮した公共工事を進めているといい、ホタルの保護や生息環境の整備に力を入れている鞆田地区の協力を得て初めて実施した。
この日は午前10時ごろから、下友田集会所近くの川岸に関係者や住民ら十数人が集まり、バケツに入れたカワニナを少しずつ水面に投入していった。
竹島社長(62)は「単に工事をするだけでなく、少しでも環境に配慮したことができれば」、放流に立ち会った下友田区長の奥瀬竹宣さん(68)は「ホタルは工事後すぐには見られないと思うが、また戻ってきてほしい」と話した。
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