「風鈴演奏家」として活動する日向真さん(54)は、京都から三重県伊賀市比土にある築100年の空き家に移住し、自ら改装した和の空間「伊賀・風鈴屋敷『風処』」を昨年5月から開いている。
神奈川県出身の日向さんは、中学時代にシンセサイザーで作曲を始め、30歳のころに風鈴を楽器として活用することを発案。演奏に適した風鈴を全国から集め、京都を拠点に2003年からプロとして活動をスタートした。
演奏では、パイプに吊るした風鈴を羽毛で揺らして音を鳴らす。音階は風鈴のサイズや厚みによって異なるそうで、尺八など和楽器と組み合わせて奏でるという。これまでも全国各地の寺院やイベント会場で約1200回のコンサートを開き、CDやDVDも20タイトルを発表している。
180個の風鈴で演奏
2020年からは新型コロナの影響で、演奏の機会も激減した。生活環境を変えようと、空き家バンクで古民家を探したところ、木津川が近くを流れる景観の良さに引かれ、21年9月に移住。母屋の壁や床を塗り直し、設置したバーカウンターやピザ窯で近所の人と食事を楽しむことも。30畳の広間は音楽スタジオとし、これまでに集めた180個の風鈴で演奏している。
オープンから1年を迎える5月1日には、記念の演奏会を開く。2部制で、昼の部が午後1時、夜の部が同7時から。参加無料で、定員は各30人。参加希望者は「風処」のホームページ(http://kazedokoro.com/?p=1078)から申し込む。
日向さんは「世界で唯一の風鈴演奏が楽しめる場。庭園の景観とともに、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と話していた。
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