【サンロードの写真の投稿を呼び掛ける富永さん=名張市で】

インスタで「#サンロードのアーケード無くなるってよ」

 三重県名張市にある「上本町サンロード商店街」のアーケードの解体が、2月20日に始まる。解体を前に、商店街で生まれ育った米穀店主が、インスタグラムで「#サンロードのアーケード無くなるってよ」のハッシュタグを付けてサンロードを撮影した写真を投稿するよう呼び掛けている。

ハッシュタグ付きの投稿写真が表示されたスマートフォンの画面

 呼び掛けているのは、同市桔梗が丘5番町の「富永米穀店」4代目の富永憲秀さん(46)。同店は1926(大正15)年創業の老舗で、2000(平成12)年まではサンロードに本店を構えていた。富永さん自身も、桔梗が丘に住まいを移す小学6年生までは上本町で生活し、幼少期をアーケードの下で過ごした。

4月にリスタートイベント

 富永さんは、旧本店の場所に住む両親からアーケードの解体が近いことを年明けに知らされて以来、「お別れイベント」の開催に向け、有志を募って準備を進めてきた。ところが、工事が想定より早く始まることに決まったことなどから、解体前の開催は断念。その代わりに、工事が一段落する予定の4月16日に「Re:START!上本町」として物販などのイベントを開き、アーケード撤去後も営業を続ける店の再スタートを応援することにした。1月下旬には上本町の住民にも企画を説明した。

 写真投稿の呼び掛けはイベントに向けたもので、優秀作品を選出し、伊賀米や伊賀牛肉などの記念品も贈呈する予定。最近の写真だけではなく、過去の写真、動画も対象だという。

 富永さんは「子どものころから親しんだアーケードの解体は寂しいが、『こういうものがあった』という記録を後世に残したい。なくなってしまう前に少しでも多くの人に訪れて頂き、たくさんの写真を撮ってもらえたら」と話す。写真投稿の企画と並行して、ドローンや昔の写真を活用した映像制作なども計画しているという。

 上本町商店街振興組合によると、アーケードの解体着手は2月20日午前8時30分ごろの予定。工事開始に伴い、現場は立ち入りが規制されるという。

【関連記事】「サンロード」アーケード撤去へ 50年で老朽化 上本町商店街 三重県名張市(https://www.iga-younet.co.jp/2023/01/25/69686/)

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