【教室にスモークを充満させる清水教授=名張市箕曲中村で】

 三重県名張市立赤目中学校で1月31日、教室をスモークで満たし、窓を開けて排出される空気の流れを確認する換気実験があった。新型コロナウイルス感染防止対策として、正しい換気の仕方を学ぶ試みで、教職員約10人が実験を見守った。

 同中が、愛知県立大学看護学部の清水宣明教授(感染制御学)に依頼して実現。清水教授は、ウイルスが空気中の微粒子を介する「エアロゾル感染(空気感染)」が新型コロナの主な感染経路と説き、2020年ごろから保育園や映画館などで同様の実験を行い、換気の重要性について講義をしてきた。

 この日は、舞台演出などに使うスモークマシンで教室内にスモークを充満させ、カーテンを閉めた状態や空調をつけた場合など、状況ごとに空気の循環を調べた。

 同中では教室で授業が始まる前に、廊下に出るドアと反対側の窓を開けるようにしているという。普段の換気方法で検証をすると、教室内のスモークが廊下に流れていった。清水教授は「何か所も窓を開ける必要はない。サーキュレーターや扇風機で外に流れる空気の通り道を作ることが大切」と説明していた。

 実験に参加した同中の野田朋憲教頭は「今後は扇風機の活用を考えていきたい。学んだ換気の大切さは先生から子どもたちに伝えていく」と話していた。

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