三重県名張市は1月12日、老朽化し倒壊の恐れがある放置された同市上小波田の空き家について、所有者の代わりに解体する行政代執行を始めた。空き家等対策特別措置法に基づき、2月末までに基礎のみの状態にする予定。空き家撤去の行政代執行は市内3例目。
市によると、撤去するのは築年数50年ほどの木造一部鉄骨造2階建ての住宅兼作業所1棟と、隣接する木造2階建ての住宅1棟。かつては大工の作業所などに使われていたが、30年ほど前から空き家になっていたそうで、屋根や外壁が崩落していたことから、2012年に地域住民が市に相談していた。
市は20年にロープを設置し、がれきを移動するなど軽微な措置を実施。同法に基づく「特定空き家」に認定した。その後、所有者に指導や勧告を文書で続けたが、返答がないことから強制措置に踏み切った。
この日、市職員や施工業者が午後2時ごろから建物前に集まり、注意書きの看板を設置した。行政代執行にかかる費用約700万円は、所有者に請求するという。
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