伝統のパスサッカーを武器に、いざ15年ぶりの舞台へ―。12月28日から国立競技場(東京)などで開かれる「第101回全国高校サッカー選手権大会」に、三重県代表として県立津工業高(津市半田)が出場する。トップチームに名を連ねる伊賀地域出身の選手たちに、大会への意気込みを聞いた。
110人を超す部員はトップ、サテライト1・2の3チームに分かれ、伊賀地域出身者では、名張市立南中出身のMF増山万太君(3年)、GK森田大翔君(同)、MF服部直太郎君(2年)、MF土谷飛雅君(1年)、同北中出身のDF北川瑛大君(2年)、FW坂地佑太君(同)、同桔梗が丘中出身のMF積温矢君(3年)、伊賀市立青山中出身のGK中尾楓汰君(1年)の8人がトップでプレーする。
津工業はここ数年、選手権とインターハイの県予選でほぼ8強以上に進出し、今回の県予選は5試合で24得点に対し失点はゼロ。全国4強入りした15年前から磨かれてきた、中盤でボールを回し攻撃を組み立てていくスタイルは津工業の代名詞だ。2017年から指揮を執る片野典和監督(45)は「皆で守備を頑張った結果としての無失点。堅実な守備が良い攻撃につながった」と分析する。
準決勝まで4試合連続でゴールを決め、今年の県1部リーグでチームトップの14得点を挙げた増山君は「勝つなら自分のゴールで」と意欲的。献身的な守備でチームを支える北川君は「シュートブロックも貪欲にいきたい」と話す。部員同士の仲の良さやポジション間の信頼関係の強さも特長の一つだ。
初戦は国立競技場での成立学園(東京)との開幕試合。選手たちは「守備の場面が多くなるかもしれないが、攻撃も守備も貪欲にプレーして初戦を勝ちたい」と意気込みを語り、片野監督は「いかに平常心で大きな舞台に立たせてやれるかが私たち指導者の役割。選手たちが目の前の試合に集中できるよう準備したい」と話した。
2022年12月24日付833号17面から