三重県伊賀市立新居保育所(同市西高倉)の園庭にある、2つの滑り台を備えた複合遊具を保護者たちが塗り直し、園児の健やかな成長を願うメッセージなどをあしらった。子どもたちは、思いのこもった遊具で元気いっぱい遊んでいる。
同保育所では毎年、年長児の保護者たちがボランティアで施設の環境整備に取り組んでいる。今年は10月下旬に作業があり、25人ほどの保護者が塗装のはがれたベンチや遊具を塗り直したり、園庭の掃除をしたりした。
遊具に塗る色は子どもたちのリクエストに応えたが、一部の保護者は「もっと子どもたちに喜んでもらえることをしたい」と考えた。そこで参加していた「己書」の師範、坂口真美さんに「何か描いてよ。子どもら絶対喜ぶよ」と頼んだ。同保育所の辻本美保所長に許可をもらい、坂口さんは心のままに筆を振るった。
複合遊具の塔のような部分の側面に現れたのは「みんなちがっていい、ちがうからすてきなんだよ」の言葉。「子どもたちが個性を育みながら成長していくように」との願いを込めたという。来年の干え支とにちなみ、4匹のウサギの絵も添えた。
国際色豊かに
坂口さんの姿がきっかけとなり、他の保護者も星や足跡など可愛らしいマークを描いていった。英語講師の保護者とブラジル国籍の保護者は、滑り台の側面に英語とポルトガル語であいさつの単語を書き、遊具は鮮やかで国際色豊かに生まれ変わった。辻本所長は「保護者で話し合い、子どもたちのために取り組んでくださって、とてもうれしい。園児たちは、登園してすぐに色や文字に気づいてとても喜んでいた」と話していた。
2022年11月5日付831号2面から
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