三重県の伊賀市教育委員会定例会は9月29日、小学校給食費の無償化事業を来年4月から実施する方向で議論し、市に予算要求することを決めた。現在3期目の岡本栄市長は、2020年11月の選挙で小学校給食費の無償化を公約。約2・4億円の事業で、財務部は安定的な運営に必要な財源の一部に「ふるさと応援寄付金」を充てる考え。
市教委が示した事業概要では、2022年度の小学校給食費が1食あたり260円から280円で、月額は4500円から4800円。23年度は市内18校の児童数が計3837人の見込みで、予算に含まれている教職員の分は年度末に徴収するとしている。
無償化実施に合わせた取り組み案では、食物アレルギーで完全弁当対応などの児童がいる保護者に対し給食費相当額の補助を検討する。一方、無償化を実施した場合、就学援助費と特別支援奨励費に含まれる給食費分は国の交付金や補助の対象から外れる。20年度は計約1900万円を給食費に充てられたが、無償化導入後は市が全額を負担する。
学校教育課によると、市内に10校ある中学校を対象に給食費を無償化した場合の事業費は約1・3億円。市教委事務局で無償化の対象を中学校ではなく、予算が2倍近くになる小学校に決めた時期は今月に入ってからだという。
岡本市長は昨年12月の市議会定例会で「早ければ23年4月から実施したい」と一般質問に答えていた。23年度の予算編成方針によると、今年度の財政状況と比較では「歳入全体の減収が見込まれる」などと説明している。
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