三重県伊賀市議会9月定例会の産業建設常任委員会は15日、官民連携のPFI方式による「にぎわい忍者回廊整備」の事業契約議案について審議し、市は2042年度末までの契約期間中に事業者側が少なくとも33億6700万円を投資し、同整備の公共事業に対する対価と合わせた総額は100億円規模になると説明した。委員会の採決は賛成4、反対2だった。今月30日に本会議の採決がある。
市の資料によると、契約相手の特別目的会社(SPC)「伊賀市にぎわいパートナーズ」側が示した20年間に投資する概算事業費のうち、具体的な金額が明らかになったのは忍者体験施設整備事業が運営費や維持管理費の他、宿泊・物販・飲食機能の整備と管理運営に25・2億円。旧庁舎改修にはカフェ・宿泊機能の整備運営と駐車場の整備運営に計8億2200万円とした。
同整備で市がSPCに公共事業のサービス対価として支払うのは、中心市街地にある成瀬平馬家屋敷跡敷地への忍者体験施設の整備費が企画設計費を含め4億7700万円と維持管理費が1億2600万円。旧上野市庁舎の改修費は企画設計費込みで27億3700万円、移転を計画する上野図書館の運営費が施設の維持管理経費を含め27億9400万円で、これらを合わせると計約64億1900万円に上る。
中心市街地推進課は、両施設の整備にかかる財源の一部には国の補助金や交付金を約9・8億円見込んでいるとし、両施設が供用を開始する5年目の26年度からの支出額は年約2・4億円と試算。施設稼働後の実質的な増額分は毎年約1・3億円と説明した。
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