コンテストでともに好成績
三重県名張市桔梗が丘2番町で写真館を経営する川地清広さん(76)と長女の美貴さん(46)の2人が、それぞれ写真コンテストで好成績を収めた。チャレンジ精神を大切にし、創業145年を迎えた老舗写真館を守り続ける。
川地さんは、日本写真文化協会が主催する「第68回全国展フォトコンテスト」で人物部門の特選となり、日本写真文化協会賞を受賞した。プロ・アマを問わず、全国から応募があった2000点から審査された。過去にも下岡蓮杖賞を2回受賞していたが、今回はより上位の賞となった。
受賞作「やんちゃさん」は、幼い男の子が近代建築の巨匠ル・コルビュジエ作品の有名な黒い寝椅子に乗って笑う1枚。昨夏に家族と一緒に来館した元気な子で、川地さんが普段からリビングで愛用している椅子をスタジオに運び込み、走り回る男の子が飛び乗った一瞬を切り取った。
美貴さんは、日本写真館協会主催の写真コンテスト「第15回日本写真館賞」のポートレート部門で入選1席となった。同協会加盟の写真館から1485点の応募があり、営業写真や学校スナップなど7部門で審査された。
美貴さんの作品「優しいほほえみ」は、米寿の記念で訪れた黒いコートの女性を撮影した1枚。特徴的な柄の杖とスカーフを身に着け、雰囲気の良さが強く印象に残ったという。同部門では、川地さんも入選10席となっている。
父「まだまだ負けられない」娘「これからも見習って」
川地さんは両コンテストとも過去に審査員を経験しており、日本写真館賞では立ち上げから昨年までずっと務めていたという。「やっと審査員を降り、娘と一緒に出品できるようになった。この仕事に完成はなく、いつまでも挑戦し続けたい」と話す。
美貴さんと一緒に出品することについては「普段の業務は任せていっているが、コンテストではまだまだ娘には負けられない」と笑う。美貴さんは「『いい加減、出品やめとけば』なんて言ってはいるものの、いつまでも挑戦する父の姿勢はすごい。これからも見習っていきたい」と話した。
2022年7月16日付823号2面から