【会社事務所で事業の沿革について説明する北田富三社長】

 三重県名張市の名張商工会議所が創立60周年を迎えた2018年に創設した「名張商工会議所長寿企業表彰制度」。表彰された43社をより多くの人に知ってもらおうと、追加取材とデータをデジタル化して一つのホームページにまとめたサイトが開設された。表彰は、会員として10年以上経過した企業で、市内に本店、本社を有し、100年以上存続し経営する企業が対象。YOUでも毎週1社ずつ、創業年代順に企業を紹介していく。名張の長寿企業サイト

創業1871 明治4年

名張市松崎町1443
電話 0595-63-9800
代表者 北田 富三
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■ 取扱商品・サービス

 給排水・衛生・空調設備工事、浄化槽設備工事、土木工事・電気工事、LPガス販売などを取り扱っています。

■ 事業の沿革

 菊屋の名前の由来は、古く南北朝時代【建武3年】(1336年)に起こった湊川の戦いで、先祖が楠木正成(※朝廷側の大将)に味方して敗れたため、
「これからは菊水※の名前では名乗れない。全国各地で「菊屋」又は「菊水」という名前で名乗って、お互いの所在や無事を確かめよう」
と決めて散り散りになったことが由来です。
※(菊水紋という家紋のこと。この戦いでは、官軍の旗は後醍醐天皇から賜った“菊紋”に遠慮した楠木正成が、水でその半分を隠した“菊水紋”が掲げられていた。)
その後先祖は名張に移り住んで、江戸時代には、木綿問屋を生業としていましたが、明治4年(1871年)から鍛冶屋等の鉄工業を営んでいました。
その後、昭和38年(1963年)から高圧ガス販売を併設し、昭和47年(1972年)に水道工事業を併設。創業から続いてきた鍛冶・鉄工業は昭和53年(1978年)に廃業しました。そして昭和59年(1984年)に法人組織に変更し、株式会社 菊屋を設立しました。その後平成3年(1991年)に土木工事部門・ガス部門を独立させ、平成6年(1994年)にマンション賃貸業を併設し、平成17年(2005年)に伊賀営業所を設立して現在に至ります。

■ 経営理念・特色

 すべてのお客様に納得していただける仕事を心がけ、地域で信頼され続ける組織であるために、たゆまぬ努力を続けることを経営理念としております。

■ 信頼され続ける組織に 3代目の北田富三さん(75)に話を伺いました。

 Q 事務所は地上6階建マンションの地上階にあるのですね。
 A 初瀬街道沿いのここが創業地で、1871(明治4)年に初代の祖父・弥太郎が鍛冶屋を始めました。造っていたのは鍬や備中、鎌など農具が中心で、2代目の父・卯之助も鍛冶・鉄工業を継ぎました。私は高校卒業後、家業に従事し、1965(昭和40)年4月に法人化し、以降は事業の多角化を進めてきました。

 Q 現在の主力事業は?
 A 約30年前からは土木・設備工事が主です。道路改良や水道管の敷設などインフラ関係が約8割を占めます。一時は20人ほどの職人を抱えるほど地域でも規模が大きい設備屋として工事を手掛け、事業を大きくしました。2010(平成22)年ごろにゼネコンの下請け工事で負債を抱えたのを機に官公庁中心の元請け工事に主事業を切り替えました。

 Q 最後に、今後の事業展開と150年以上続く貴社の経営理念を教えてください。
 A 今までに施工した空調や給排水、防災、電気の設備もたくさんあります。これらのメンテナンスや修理などの対応にも注力していきたい。個人、企業、官公庁、全てのお客さまに納得して頂ける仕事を心掛け、地域で信頼され続ける組織であるために、たゆまぬ努力を積み重ねていきたいです。

経営するマンション兼社屋の前に立つ北田社長

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