【2019年に火災が発生した破砕機室で消火器などを構える訓練参加者=伊賀市奥鹿野で】

 三重県名張市と伊賀市青山地区のごみ処理施設「伊賀南部クリーンセンター」(同市奥鹿野)で5月27日、処理中のごみから出火したと想定した訓練があった。運営する伊賀南部環境衛生組合の職員と運転管理する三機化工建設の社員、市消防本部の職員計約40人が参加した。

 同センターでは2019年7月の火災で、破砕機やベルトコンベヤーなど不燃ごみ処理ラインが焼損。15・4億円に上った復旧工事が昨秋完了した。

2019年7月18日の伊賀南部クリーンセンターでの火災の様子=同

 この火災を教訓に、同組合は通報体制のマニュアルを改定。その後の約3年間に処理中のごみが燃える火災が計5回発生しているものの、いずれも初期消火で済んでおり、建物などの被害には至っていない。

 訓練は甚大な被害が発生した19年の火災現場で、不燃ごみ処理ラインの高速回転式破砕機から出火したと想定。炎を発見した現場作業員が携帯電話を使って119番通報し、駆け付けた他の職員らが手分けをして初期消火や避難誘導に当たり、非常時の一連の流れを確認した。

 訓練後、同組合の日置光昭事務局長は「新しいマニュアルに沿って、まず通報、初期消火をお願いしたい」と職員らに呼び掛けた。

 同組合は、処理中のごみから相次ぐ出火が、電池など分別が不適切なごみの混入が原因とみており、「分別を徹底してほしい」と呼び掛けている。

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