【退任式で職員から花束を受け取る亀井市長(左)=名張市役所で】

 任期満了を4月24日に控え、三重県名張市の亀井利克市長(70)の退任式が22日、市役所であった。集まった約50人の幹部職員らを前に「長い間、大変お世話になった。これからはどうか新市長、新市議会、市民の皆さんと連携協働して、新しい名張を作って頂きたい」と呼び掛け、市役所を後にした。

 同市出身の亀井市長は中京大学体育学部を卒業後、市職員、県議を経て2002年4月の市長選で初当選し、5期務めた。今年1月に自身の後援会で、今期限りでの退任を表明した。

 退任式で亀井市長は、政治家を志したきっかけや、地域共生社会の実現を目指した20年間の市政運営を回顧。市の財政再建については「これからも改革を続けていかなければならないが、大きな山を越すことができた」と語った。

 障害のある長男の話にも及び、「世のため人のためにと頑張ってきたが、親亡き後の問題がある。これを区切りに、家のことを一生懸命やらせて頂かなければ」と涙ぐみながら思いを語った。

 17日投開票の市長選で初当選した北川裕之氏(63)については「私の市役所の後輩で、非常に優しく誠実な方」と述べ、過去の節目節目で相談に来訪したエピソードも紹介した。

 職員を代表して西山嘉一教育長が「長い間、市政の発展に全精力を傾注頂き、誠にありがとうございました」と述べ、職員3人が亀井市長に花束を手渡した。

 式後に取材に応じた亀井市長は「一つの区切りとして、やり切ったという思い」と心境を明かし、今後は「農業に励み、40歳の息子と一緒に社会参加したい」と語った。北川氏へは「公約実現のため、ご努力頂けたら」とエールを送った。

 北川新市長は25日に初登庁する。

花束を手に笑顔で退任式の会場を後にする亀井市長=同
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