【コーヒーを注いだカップを手にする長谷さん=伊賀市丸柱】

長引くコロナ禍で注目

 三重県の伊賀地域で見つけた、個性の光る自動販売機を設置している店主たちに、手応えや自販機の可能性について尋ねてみた。

伊賀焼窯元 長谷園

 「コーヒーを注いだ伊賀焼を手に、のどかな風景を見渡しながらゆっくりしてもらえたら」。多くの観光客が訪れる伊賀市丸柱の「伊賀焼窯元 長谷園(長谷製陶)」には、来場者のフリースペースとして開放している建物「大正館」(国登録有形文化財)内に、伊賀焼カップで味わえるコーヒーの自販機を置いている。

 以前は同社の事務所として使われてきた同館は、その名の通り大正時代に完成し、当時としては珍しい、窓が多く天井が高い瓦屋根の建物。豆からひいて入れるコーヒーの自販機は10年以上前に設置し、通常の紙コップの代わりに選んだ伊賀焼カップを入れて抽出する仕組みだ。

 1杯400円(ホットのみ)で、カップは持ち帰れるため、バスで訪れる団体客にも好評だという。大正館は午前9時から午後5時(お盆、年末年始除く)まで利用可能。コロナ禍では、恒例の「窯出し市」などの集客イベントは開催見送りが続いているが、「ここ丸柱の風景や雰囲気は伊賀の財産」という店長の長谷圭未さん(49)は「特に遠方からお越し頂く方には、持ち帰ってもらったカップで伊賀のことを思い出してもらえたらうれしい」と話していた。

 問い合わせは同社(0595・44・1511)まで。


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2022年2月12日付813号20面から

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