長引くコロナ禍で注目
飲み物だけでなく、和洋菓子からファストフード、生活雑貨、土産品、更には「ふるさと納税」まで、売り手と買い手が対面することなくいつでも買い物や支払いができる〝変わり種〟の自動販売機が、長引くコロナ禍を背景に全国で注目を集めている。三重県の伊賀地域で見つけた、個性の光る自動販売機を設置している店主たちに、手応えや自販機の可能性について尋ねてみた。
西ざわ笑店
揚げ物や弁当、総菜などを扱う「西ざわ笑店」(本店・伊賀市平野上川原)は1月下旬、市街地にある小玉町店(同上野小玉町、休業中)の店先に、冷凍コロッケなどを提供する自販機を設置した。電子マネーでの支払いにも対応し、調理済み・未調理のものが選べる仕組みで、「定番の揚げ物だけでなく、新商品も随時入れていきたい」と先を見据えた展開を考えている。
昔から親しまれ、内外にファンの多い「西澤のコロッケ」は、北海道産の男爵芋と伊賀肉を使った手作り。「お客さんの顔が見えない寂しさはあるが、コロナ禍の対面販売がしづらい状況で、出だしは好調」と話す店主の西澤高広さん(54)と2代目の佳希さん(22)。
目に留まりやすい黄色の外観で、コロッケをほお張る忍者のイラスト、「コロッケならにしざわしょうてん」と書かれた忍者文字などが描かれ、操作はタッチパネル方式。現在はコロッケ(5個入り調理済み千円、未調理950円)以外にフライ3種、ミンチカツ、カニクリームコロッケ、から揚げが購入できる。
元々コロッケ店として営業していた小玉町店は、「上野天神祭」でだんじりや鬼行列も通る二之町通りに面している。この2年は巡行が無く、観光で訪れる人たちも少なくなっているが、食卓を支える頼もしい存在の登場に、地元の人たちも期待を寄せている。
問い合わせは本店(0595・51・5795=火曜休)へ。
「変わり種自動販売機」知りませんか?
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2022年2月12日付813号1面から