【〝結婚式〟での美月(左)とジャスティン(提供写真)】

「美月」と「ジャスティン」

 三重県名張市梅が丘北の丸山薫さん(42)、美玖さん(13)親子が愛してやまない柴犬の「美月」(雌・3才)。実は美月には2年前に“結婚式”を挙げた“愛する夫”がいるのだ。

愛犬たちの〝夫婦生活〟を見守る(左から)丸山さん、美玖さん親子と原田さん

 3年前に丸山家にやってきた美月。美玖さんから1字もらい、黒毛に白の柄が月のようだったのでそう名付けられた。旬の野菜を好む反面、低気圧が近づくと食が進まなかったり、散歩も気乗りしないなどデリケートな一面があるのだとか。美玖さんはそんな美月が可愛くて仕方がないと毎日、引っ張り合いや鬼ごっこで遊んでいる。

 一方、美月の“夫”は近くに住む原田和江さん方で飼う柴犬の「ジャスティン」(雄・3才)。美月とは散歩を通じて知り合った。怖がりなため、知らない犬にはうなったりするが、美月にだけはメロメロで、何をされても怒らないし、気を引くためにおもちゃを持って行ったりと、かいがいしく尽くすんだそう。

 2匹が着飾り正装して臨んだ“結婚式”は原田さん宅の庭で開催。花のオブジェで会場を飾り、美玖さんが作ったウェディングボードも飾られた。丸山さんもリンゴや豆腐のクリームでデコレーションしたウェディングケーキを手作りした。結婚指輪の代わりにリボンを巻いた骨を交換。祝いの缶詰を手に“来賓”として集まった近所の人たちの前で「変わらぬ愛」を誓い合ったという。

 普段は別居の2匹だが、時々、原田さん家で同居もする。2年経っても「“かかあ天下”は変わらず」だと原田さんは笑う。ジャスティンの美月への一途な愛は変わらず、1日4回は丸山さんの家の前を散歩する。そこから帰らないとごねることがあり、そんな時は原田さんが強制的に抱えて連れて帰る。

 「いつまでも相思相愛で」と願う丸山さん親子と原田さん。2匹の“夫婦生活”は近所の人たちも温かく見守っている。

2022年1月15日付811号13面から

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