【訓練で運営スタッフ役から被災者のニーズについて説明を受けるボランティア役=名張市丸之内で】
災害時に被災者支援のために全国から駆け付ける人たちの受け入れ拠点となる「災害ボランティアセンター」の運営訓練が12月5日、三重県名張市丸之内の市総合福祉センターふれあいであった。同市社会福祉協議会の職員や市災害ボランティア登録者ら計約70人が参加し、手順を確認した。
同市の災害ボランティアセンターは常設型で、非常時には復旧支援のための応急対策、平常時は訓練や人材育成を担う。昨年、運営委員会が発足したことを受け、今回4年ぶりに運営訓練を実施することになった。
訓練は、線状降水帯がもたらす豪雨と南海トラフを震源とする震度6強の巨大地震が複合的に発生したと想定。参加者は運営スタッフ役と市外から訪れたボランティア役とに分かれ、受付や保険加入▼「泥かき」や「家財の撤去」など被災者から寄せられるニーズの把握▼ボランティアの割り振り▼スコップやバケツ、一輪車といった資機材の受け渡し▼現場への案内など、一連の流れを確認した。
訓練に参加した同市社協地域福祉課の的塲栞那さんは、2年前に台風で被災した栃木県栃木市に1週間派遣され、センターの運営を経験。「災害時は本当に状況がひっ迫する。日ごろから地域との関係を深めていくことが大切だと学んだ」と話す。
センター長で市社協事務局長の杉本丈夫さんは「災害復旧にあたってはボランティアの応援が必須になるが、被災者のニーズにマッチングさせ、的確な所に配置していく必要がある。訓練を通じて運営方法を検証し、備えていきたい」と話していた。
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