がん・難病患者らの全国組織「がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会」の代表を務める三重県名張市富貴ケ丘1の広野光子さん(80)方で12月1日、亡くなった会員らの鎮魂や闘病中の仲間らの安寧を祈るイルミネーションが今年も点灯し始めた。期間は来年1月10日までの午後6時から9時。
広野さんは元情報誌記者で、1992年に乳がん、93年に卵巣がんが見つかった。闘病中の94年には、別の病気で夫が他界。追悼の思いから1本の庭木に電飾を付けたのがイルミネーションの始まりという。95年に同会を立ち上げてからは、亡くなった患者らを思い、毎年少しずつ電飾の数を増やしてきた。
28年目の今年は、11月に入ってから広野さんと2人の息子が発光ダイオード(LED)などの設置を始め、10人の会員が大阪から応援に駆け付けてこの日ようやく完成した。ネット状に連なった電飾などを新たに追加し、光の数は1万6000個以上になったという。赤、青、緑など鮮やかな光が外壁や植え込みを彩り、トナカイや雪の結晶などをかたどった電飾も並んでいる。
この日は午後6時から、近隣住民も交えて点灯式が開かれた。集まった子どもたちからは「わぁすごい、奇麗」などの声がこぼれた。広野さんは「仲間たちの支えで、今年も続けることができた。この光を見て頂くことが、ご自身の家族や今まさに病気と戦っている人を思う気持ちにつながれば」と話していた。
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