【新作の影絵を紹介する角田さん(左)と久子さん=名張市中町で】
名張の歴史や文化を影絵劇で表現している伊賀まちかど博物館「はなびし庵」(三重県名張市中町)館長の角田勝さん(78)と久子さん(72)夫妻は、新作の体験用影絵「よさこいソーラン」を完成させた。
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「すみた酒店」を営む夫妻は、江戸時代に建てられた家屋を有効活用しようと座敷の一角を改装し、2004年から歴史影絵を始めた。これまでに「宇奈根宇流冨志禰奇談」「赤目滝能楽案内」など地元を題材にした作品を上演してきた。
今年9月から制作を始めた新作は、来館者が影絵を動かす体験用の演目。「春が来た」「夕焼け小焼け」など季節の童謡を中心にした郷愁のある作品に続く9作目で、「外国人観光客にもリズムや音楽だけで楽しめるように」と制作を決めた。
上演時間は3分半。切り絵の制作と操作は久子さんが担当し、角田さんは資料収集や内容の解説などを行っている。
市内のよさこいソーラングループ「Seyate隠(なんばり)」の動きや服装を参考にした縁から、10月22日のお披露目会には、グループのメンバー約20人が足を運んだ。
影絵の操作を体験した副リーダーの岡崎千佳さん(57)は「知っている曲だから動かしやすい。実際に踊っているような気分になった」と話していた。
コロナ禍で昨年2月ごろから上演の機会が少なくなっていたが、徐々に予約も入るようになったという。角田さん夫妻は「盛り上がる曲なのでぜひ楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。
上演は5人以上で要予約。席料は1人500円(茶菓子付き)。
申し込み、問い合わせは、はなびし庵(0595・63・0032)まで。
2021年11月6日付807号24面から
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