【8月に咲いた花に見入る三木さん=伊賀市市部で】
中国南部の雲南省原産で、「一度咲くと300日咲き続ける」とも言われるバショウ科の多年草「チユウキンレン(地湧金蓮)」が、三重県伊賀市内で開花した。「チャイニーズイエローバナナ」とも呼ばれ、花言葉は「幸福を招く」。育てている住民は「何かいいことがあるのかも」と、黄金色の花を見守っている。
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18年ぶり 見守る家族
伊賀市市部の三木輝代さん方では、庭に植えているチユウキンレンが18年ぶりに開花した。
20年ほど前、珍しさから園芸の通信販売で苗を買い、鉢で育て始めたが、最初の数年は花が咲く気配も無かった。
初めて開花したのは2003年の8月初旬。しかし、どのくらいの期間咲いていたのかは覚えていないそうだ。
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それから18年が経ち、今年は3本に増えた株のうち2本に花が付いた。8月初旬に咲いた背の高い方の株は、開いた花弁の直径が30センチほどもあり、9月に入って開花した玄関前にある背の低い株は、ひと回り小さいサイズ。三木さん自身、チユウキンレンを近所や出先で見掛けることは少ないといい、通り掛かる人やランニング仲間たちからも「咲いたんやね」「珍しい」と声を掛けられたそうだ。
三木さんは「今度はどのくらい咲き続けるのか、家族で見守りたい」と話していた。
春から秋に次々と
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同市西明寺の自営業、杉本一さん(59)方では、10年ほど前に父・毅さん(83)が三木さん方から鉢植えをもらい、家の中で育てていたが、なかなか花が咲かなかった。
5年ほど前に杉本さんが譲り受け、屋外に植え替えて世話を続けたところ、約3倍に成長。3年ほど前に初めて開花し、その後は毎年、春から秋にかけて次々に花を咲かせているという。
栄養豊富な畑で
杉本さんは「バナナのように身がどんどん剥けていく、珍しい植物。畑だった場所に植え替えたので、栄養がたくさんあったのが良かったのかも」と話していた。
【チユウキンレン】ハスのような黄金色の花が地中から湧き出しているように見える。葉はバショウやバナナに似た形状で、花びらのように頂部から四方に開いているのは「苞(ほう)」と呼ばれる葉の一部。実際の花は小さく、苞の付け根に連なるように咲く。
2021年9月25日付804号15から