【ずらりと並ぶ力作のかかし=御杖村で】
奈良県御杖村の土屋原地区で、今年の世相を反映した作品が並ぶ「案山子(かかし)まつり」が開かれている。アスリートや政治家など、工夫を凝らしたかかし24体が歩道に登場しており、展示期間は9月20日午後3時まで。
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地域おこしの一環で、地元の公民館が14年前から始めた催し。今年は大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手や、東京五輪で活躍したスケートボードや柔道、体操の選手たち、感染防止パネルで隔てられた菅義偉首相と小池百合子東京都知事のコンビなど、力作がずらりと並んだ。
近くで自動車整備業を営む髙山泰司さん(69)は、毎年出展。今年はスケートボード女子ストリートで13歳ながら金メダルを獲得した西矢椛選手を題材にした。自宅にあった古着や不用品などを活用し、日章旗を手に喜ぶ一瞬を、足元のボードなど細部までこだわって仕上げた。「躍動感をいかに出すかを考えて、10日間かけて作った。実は顔の部分は妻がモデルだ」と笑う。
公民館主事を務める中嶋安司さん(72)は「五穀豊穣への思いを込めて始めたが、昨年からはコロナ収束の祈りも込めている。かかしを見て、一人でも多くの人に元気になって頂きたい」と話した。
2021年9月11日付803号1面から
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