3月の伊賀市議会議員選挙(定数22)に立候補し、3票差で落選した福村教親氏(59)が三重県選挙管理委員会に審査を申し立て、同市選管の決定取り消しと最下位当選者の北山太加視市議(65)の当選を無効とした裁決を不服とし、名古屋高等裁判所に提起した。福村氏は訴状が受理された翌日の8月19日に会見を開き、「一部の主張が認めてもらえず、最下位当選者と得票が同数になった。納得がいかない」と述べた。
県選管の採決では、福村氏が北山市議の1098票に含まれる疑問票から有効と認めた14枚全てが無効と主張したのに対し、2票のみ無効と判断。また、無効だった福村氏の1票を有効とした結果、得票が1096票で同数になったため、くじで当選人を決めるとした。
これに対し、福村氏は改めて北山市議が得た残りの12票も無効だと主張し、名古屋高裁に県選管の採決取り消しと北山市議の当選無効、福村氏の当選人とするなどの判決を求めた。また、訴状では、他の候補者に関係する投票についても具体的な例を示した上で「市選管の有効、無効の判断は相当問題がある」と指摘。市県の両選管が実施しなかった白票以外の無効票に対する調査について高裁に内容確認を求めた。
福村氏は「4月5日に市選管に異議を申し出てから数か月を経て県選管の採決が出た。結果はともかく、私は提訴するつもりだったが、支援者や後援者も『最後は司法の判断に任せて最後までやり切った方が福村らしいんじゃないの』と言ってもらった」と述べた。
北山市議は「代理人の弁護士らに相談し、提訴するかどうか検討している」と電話取材に答えた。
市議選の開票をめぐっては、福村氏側の異議申し出を受け、市選管が5月に2人の得票数と無効票を再点検。そのうち開示された投票用紙計15枚に対して福村氏が疑義を訴え、市選管が棄却したのを受け、県選管に審査を申し立てていた。