三重県名張市は8月10日、園児数の減少に対応するため、市立幼稚園と市立保育所計3園を2024年度までに統廃合し、民営化を進める方針を市議会教育民生委員会協議会で明らかにした。12月定例会で関連条例の一部改正案を提出する予定。
市福祉子ども部によると、統廃合の対象となる3園は桔梗南幼稚園(桔梗が丘5、1979年開園)、名張幼稚園(丸之内、1971年開園)、大屋戸保育所(大屋戸、1952年開所)。桔梗南幼稚園は2022年3月、名張幼稚園は23年3月、大屋戸保育所は24年3月でそれぞれ廃止し、名張幼稚園の跡地には大屋戸保育所の在園児を移し、0歳児から5歳児が対象の民営の認定こども園を24年度から開園する計画。運営する法人は22年度に公募する。
桔梗南・名張両幼稚園はいずれも4、5歳児が対象だが、22年度の新入園児を募集せず、1歳児から5歳児が対象の大屋戸保育所は名張幼稚園跡地に移ることを前提に募集を続ける。21年度に入園した桔梗南幼稚園の在園児5人は来年度、名張幼稚園で受け入れるという。同園跡地は放課後児童クラブが活用する予定で、大屋戸保育所の跡地は所有者に返還する。
今年度の桔梗南幼稚園の園児数は定員140人に対し21人で、3年前の3分の1以下、名張幼稚園は定員210人に対し28人で、4年前の2分の1以下になっていた。市によると、出生数減少の他、国の幼保無償化政策で公立と私立で保育料の面で差が無くなったことなどが影響しているという。大屋戸保育所は定員50人を割っていないが、敷地が狭いことなどから名張幼稚園側に統合することにした。
同市では08年から11年の間に、市立保育所計9園を民営化している。桔梗南・名張両幼稚園が廃止されると、市内に公立幼稚園はなくなる。
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