唐招提寺(奈良市)に女竹を奉納する名張市の市民団体「唐招提寺に竹を送る会」は1月19日、同市滝之原で安全祈願法要を営んだ後、前年より100本多い約1600本の竹を同寺に運んだ。【女竹を運ぶ会員ら=名張市滝之原で】
奈良・唐招提寺に送る竹を伐採選別 うちわまきの宝扇に 名張市
例年は一般参加者も交えて奉納し、昨年は76人が参加したが、今年はコロナ禍で役員ら19人での実施となった。法要は同市滝之原の龍性院であり、鈴木隆雄住職が疫病退散なども祈って経を上げた。同会の奥西勲会長(79)は「11回目の今年は、第1回目の23人より少ない人数となったが、途切れることなく続けることができうれしい。とにかく続けていきたい」と話していた。
女竹は唐招提寺の伝統行事「うちわまき」でまかれるハート形のうちわ「宝扇」の軸の材料となる。うちわまきは同寺中興の祖とされる覚盛上人の命日の5月19日に毎年催される行事で、僧侶が宝扇を参拝者にまく。近年は竹材が不足し、同寺の西山明彦長老が同市出身だった縁で、2011年から同会が納めている。奉納した竹は、1年間乾燥させた後に加工される。
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