家族の介護や世話などに当たる18歳未満の子ども「ヤングケアラー」が名張市内に少なくとも28人いることが分かった。8月に初めて実施した独自の実態調査について、12月9日の市議会一般質問で市が明らかにした。

 ヤングケアラーは、負担が過度になると心身や学業に影響が出ると懸念されているが、問題が表面化しにくい。調査で市が該当すると判断した子どもは、同市の「要保護児童対策及びDV対策地域協議会」や市内の小中学校から報告があった26人と、介護支援専門員が把握した進行中のケースの2人。

 市福祉子ども部によると、年代は小学校低学年から高校生まで。具体的な内容は、幼いきょうだいの世話が最も多いが、父親や母親の介護などをしているケースもあった。市は関係機関と連携しつつ、早期把握や見守り、必要な支援につなげるなどの取り組みを進めていく方針。

 亀井利克市長は答弁で「貧困の連鎖を断つためにも、子どもたちの学習の機会を奪うことは絶対にあってはならない。さまざまな機関や団体などに、つないでいける人材の育成も必要。『社会のしんがりを任せろ』という不退転の決意で臨みたい」と述べた。

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