愛車の名は「貴宝丸(たかほうまる)」。デコレーションした軽トラックの運転席で笑みを浮かべるのは、伊賀市緑ケ丘西町の会社員、稲林貴洋さん(49)だ。【愛車に乗る稲林さん=伊賀市で】
映画「トラック野郎」を小学生のころに見て以来、デコレーショントラック(デコトラ)に乗る主人公を演じた菅原文太さんに憧れた。菅原さんが亡くなった2014年の大みそかには、関東まで追悼カウントダウンイベントに駆け付けた。
それを機に、自分でトラックをデコレーションしたいとの思いが募り専用の軽トラックを購入。パーツをそろえ、一つひとつ飾り始めた。器用な手先を生かし、内装や配線、塗装なども自分でした。
「飾り付けは青果便を意識」し、正面には子どものころから決めていたという自身の名前から1字取った「貴宝丸」の文字が。内装は大好きな花籠文模様でそろえた。運転席の塗装は一見黒に見えるが、晴れると光を浴びて虹色に輝くラメ塗装で、イルミネーションも色や位置にこだわった。自分の好きなことを貫き通す、という意味で「人生一路」とあんどん文字を入れた。全体のバランスに苦労したが、「飾りには終わりがなく、常に新しい構想を考えている」という。「デコトラは男のロマン。これからも大切に乗り続けたい」と愛情たっぷりに語った。
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2020年8月8日付777号4面から
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