名張市は、個人事業主や年金受給者らが加入する国民健康保険の税率を13年ぶりに見直し、4月から引き上げる方針を固めた。試算では、2020年度に財源が約3億円不足することから、加入者1人当たりの税額で年間1万4148円(15・3%)増の10万6366円にすることを求め、条例の一部改正案を市議会3月定例会で提案する予定。
昨年12月1日現在、市内で国保に加入しているのは、全世帯の約3割に当たる1万709世帯。市保険年金室は、国保の財政状況が厳しい要因について「高齢者や低所得者層が増加し、税収入が減少する一方、医療費が増加しているため」と説明する。
40代夫婦と子ども2人で、夫の所得が300万円のモデルケースでは、改正後の税額が年間11万6800円増の56万8600円に膨らむ。単身で所得84万円以下など軽減制度の対象となる加入者に対しては、負担割合の一部を軽減する。
13年度に基金残高は約10億5千万円あったが、翌年度以降は診療報酬の改定で黒字になった16年度を除き、実質単年度収支が約2億円から約3億2千万円の赤字続きだった。基金は20年度中にも枯渇する見通しで、引き上げることに決めた。県の資料によると、加入者1人当たりの保険税(料)は、19年度が県内29市町で16番目。改定後の試算額を当てはめると、8番目に上がる。
伊賀市は既に、18年度の改定で税率を引き上げている。
2020年2月19日付 766号 31面から
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