3月19日に開幕する「第92回選抜高校野球大会」の「21世紀枠」が1月24日発表された。昨秋の三重県大会を制し東海地区推薦校となっていた近畿大学工業高等専門学校(名張市春日丘7)は選ばれず、伊賀地域の学校、また高等専門学校(高専)として初の甲子園出場はならなかった。【村田圭治校長から選考結果を告げられた野球部員たち=名張市春日丘7の近大高専で】〈YouTubeで動画を見る〉
21世紀枠は、さまざまな困難を克服してきたり、地域貢献を通じて他の模範となっていたりする学校を対象に全国で3校選ばれるもので、今大会には帯広農(北海道)、磐城(福島)、平田(島根)が選出された。近大高専は昨年9月の県大会で初優勝し、10月の東海大会では初戦の加藤学園(静岡)戦を延長で落とすもベスト8入りし、県、東海の推薦校となっていた。
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24日午後3時20分すぎ、ユニホーム姿で集まった60人の部員たちに、村田圭治校長は「残念ながら、選ばれることができなかった」と選考結果を伝え、「私も悔しいが、みんなはもっと悔しいと思う。夏に向けて、地道に練習を積んでいってほしい。実力で勝ち取ろう」と言葉をかけた。
重阪俊英監督は、昨秋の東海大会2回戦で惜敗した加藤学園(静岡)の出場が決まったことに触れ、「もう一歩だったと思う」と話した後、「うちにとっては夏しかない。こういう経験を力に変える強さを持って、冬、春と練習で力をつけていこう。それしかない。チーム一丸でやっていこう」と部員たちを鼓舞した。
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結果を聞いた主将の田島大輔君(2年)は「今回、選んで頂くことはできなかったが、この気持ちをバネにできたら。甲子園へ行くとなればまだまだ力が足りないので、今までの練習を無駄にせず、最後の夏の大会で甲子園へ行けるよう頑張りたい」と思いを話した。
投打で活躍が期待される白石晃大君(同)は「応援して下さる方々の期待に応えられるよう、夏は自力で甲子園に出る」、捕手の北川創大君(2年)は「監督から教わった『初心に帰る』ことを意識し、バッティングで投手陣を助けられるようなチームにしていきたい」と、ともに先を見据えていた。
秋季大会で伊賀地域の中学校出身者で唯一ベンチ入りしていた山崎匠海君(同)(赤目中出身)は「行けるかなという感じで待っていたけど残念。地元から甲子園へ行けるよう、日々の練習を頑張りたい」と話した。
1月24日午後5時25分追記