酷暑の夏を挟んで3か月ぶりの掲載です。各地で稲刈りも進み、少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。今回は、伊賀市種生を発着点に、建設が進む川上ダム予定地周辺の約10キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【表紙写真左:「観眺台」から見た川上ダム予定地付近の工事現場、右:収穫目前の田んぼ越しに種生の集落を望む】
不安定な天候が続くなか、9月4日午前10時、博要地区市民センター(同市種生)前を出発しました。青山行政バスを利用すると、種生小学校前バス停が最寄りです。田んぼは稲刈り間近で、防獣フェンスの柱ごとにトンボが止まり、山間に数種類のセミの声が響いていました。
新しい県道を行く
種生神社から下りになり、川沿いに種生の小河内集落と田んぼが広がります。前深瀬川を渡って下流へ進み、旧県道を左手に見ながら、付け替えられた県道青山美杉線を行きます。斜面で花を付けている白いユリやネムノキが目を楽しませてくれますが、依然として日差しは強く、少しでも日陰を探しながら歩きました。
長さ257メートルの北野トンネルには細いながらも両側に歩道があります。軽トラックと原付バイクが通り過ぎ、反響した音と迫力に驚いてしまいました。
トンネルを抜けた先の「猫また大橋」を渡り切ると、東側の視界が開け、かつて川上集落があった一帯に、砂利など骨材の仮置き場が広がっています。ダンプカーやミキサー車などの出入りが増え、赤白の大きなクレーンの上部が見え隠れし始めると、間もなく「ダム天端入口」の看板が見えました。
見学場所「観眺台」へ
要石大橋のたもとから県道松阪青山線を進み、ほどなくダム工事の現場を一望できる「観眺台」へ。多くの工事車両が動き回っているなか、片隅に旧県道の橋が残っているのが見えました。
桐ケ丘団地の南側を進む県道は緩やかな上りが続きます。小さな日陰を見つけながら、無理せず休み休み歩くことにしました。ようやく下りになりましたが、何やらゴロゴロと空が鳴っています。あいにく雨具を持たずに来てしまったため、少し急ぎ足になっていたと思います。
種生の山立集落が見えてくると、旧県道が右手に合流。川上川の水量はやや多いようです。種生橋を渡って集落内を進み、集議所の前で咲くケイトウに目を奪われながら、出発から約3時間、午後1時ごろに市民センター前へ戻ってきました。歩数計は1万5694歩でした。
夏の暑さはまだ残っていて、天候の変わりやすい季節でもありますので、熱中症や夕立ち、天候の急変などにはくれぐれもお気をつけください。