「山が好き。まだまだ登りたい。そのためにトレーニングが欠かせない」。名張市美旗町池の台西の新保満子さんは、80歳になった今も日本アルプスなど3千メートル級の登山に勤しみ、そのための体力維持にと、クライミングやジムでのトレーニングを日課にしている。【八ヶ岳赤岩の頭でポーズをとる新保さん (本人提供、3枚とも)】
体力維持に努め今も3千メートル級へ
今となっては笑い話だが、初めての登山は「富士五湖キャンプと思って参加したら富士登山だった。高山病のような状態で大変だった」という高校2年の時。社会人になり、仲間に誘われて本格的に始め、登らなければ拝むことのできない残雪や空の青さなど、すっかり山に夢中になった。
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50代後半までは、当時住んでいた関西圏の山岳会の仲間や山岳ガイドらと登り続け、名張へ転居して数年後から69歳までは山から遠ざかっていた。しかし、山の写真や話に触れるたび、「やっぱり登りたい」との思いが再燃。ガイドから「頂上へ到達するために、しっかり訓練しておくこと」と言われてきた新保さんは、感覚や体力を戻そうと、御在所岳藤内壁でのクライミングスクールに月1回通い始めた。
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5年前からは、名張市内のフィットネスクラブに徒歩で45分かけて週2回通い、20代前半に匹敵する体力年齢をキープしている。3年前からは四日市市のクライミングジムにも週1回通ってロープクライミングの指導を受ける熱心さ。「天候に左右されず、達成感があって楽しい」と語る。
昨年は北アルプスの北穂高岳(3106メートル)や西穂高岳(2909メートル)、中央アルプスの宝剣岳(2931メートル)などに登った。山ではガイドに同行してもらうが、肩こりや腰痛、ひざ痛など、けがや持病とは縁が無い。「『あれ、まだ登れるやん』という感動を味わえた。頑張る、楽しむ、続ける、をモットーに、これからも登り続けたい」と笑顔で話した。
2019年7月13日付751号1面から