今回は、近鉄美旗駅から名張市の美旗地区南部をぐるりと巡る約5・5キロのコースを紹介します。(取材・山岡博輝)【表紙写真:西半分が広場になっている馬塚古墳。奥の丘からは美旗地区をぐるりと望める】

 好天に恵まれた3月26日、電車に揺られ午前9時半ごろ、美旗駅に降り立ちました。駅前には、周辺に点在する「美旗古墳群」を巡るハイキングマップがあり、これから回る場所を再確認しました。

 広い道に出ると、目の前の丘は全長142メートルの前方後円墳「馬塚古墳」です。記者は約25年前の小学6年の時、遠足でこの場所を訪れており、懐かしさもありました。石の地蔵がたくさんあり、四角の部分は広場になっています。円形部分の頂上からは、周囲をほぼ見渡せました。

水色のフェンスで囲まれた円筒分水塔。右奥へ続くのが新田水路

 馬塚古墳を後に、まずは北東へ。初瀬街道と交差して美旗小学校の裏手へ進み、まだ新しいふるさと農道を南へ向かいます。遠くに見える山は尼ヶ岳(伊賀富士)や倶留尊山などでしょうか。ナズナやツクシなど、田の土手は春らしく色付いていました。

新田水路(右側)に沿って広域農道が走る

 ほどなく左手から「新田水路」が合流します。この日はほとんど流れていませんでしたが、300年以上前に整備され、今も地元の人たちが大切に守り、米作りなどに生かされているそうです。水路の土手を歩いていると、大きなツバキの木から花がいくつも水路に落ちていました。

新田堤の常夜灯付近は桜の名所。つぼみを付けた桜が開花を待つ

 水路の目印でもある常夜灯から南側は、堤の上が桜並木になっています。並木が途切れる辺りには、用水を均等に分配するための装置「円筒分水塔」がありました。

 農道をもう少し歩き、黄色の看板を右折して「竜王水」へ。地下水が湧き出している場所で、東屋もあるので小休止です。そこから坂を上がっていくと、ブドウのビニールハウスが並び、下小波田の集落へと道は続いていきました。

東屋のある「竜王水」

 集落内の坂道を下っていくと、垂直に近い民家の石垣を猫がスルスル歩いていくのに遭遇。畑や土手には菜の花やタンポポなど、春の主役とも言える黄色の花々が顔を見せています。小波田川を渡り、今度は美旗町池の台へと進んでいきます。

竜王水から下小波田へ。集落裏手には見事な枝ぶりの紅梅

 住宅地の縁を進んでいくと、右手には水田地帯が広がっています。竹林の奥に三角屋根の美旗市民センターが見え、住宅地を抜けて美旗中村へと歩を進めます。大福寺で小休止し、集落へと続く道を進むと、ムスカリでしょうか、庭や土手に紫の花が点在していました。

小波田川を渡る近鉄大阪線の列車

 信号交差点を渡り、小波田川を渡る電車を写真に収めて美旗駅へ。スタートから約2時間、8514歩で戻ってきました。梅やツバキには少し遅く、桜には少し早い、春らしい陽気の中のウォーキングになりました。

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