伊賀市の岡本栄市長は2月19日、市議会3月定例会に提出する2019年度当初予算案などについて記者会見を開いた=写真。一般会計に盛り込んだ市役所移転後の旧庁舎を複合施設に改修する実施設計経費については、タウンミーティングで出た市民意見が「どこへいっても早くやるようにという意見が多かった」と話し、否決された昨年9月に続く再挑戦に意欲を示した。
タウンミーティングは1月28日から2月17日の間に市内7か所で開かれ、1会場16人から65人の延べ330人が参加した。岡本市長は「中心市街地の人も19万人の来庁者が消えてしまった影響を多く訴えていた。郡部の人からも中心市街地との相互補完性に懸念があるという意見があり、リノベーションを一日も早くやってにぎわいをという意見をもらった。『反対もあるということはしっかり認識しておいてもらいたい』という方が1人いた」などと話し、参加者から賛意を得たとの印象を話した。
一方、同じ日に会見を開いた岩田佐俊議長は同予算の再提案に対し「考えられない。納得させるだけの説明がない」と答えた。生中正嗣副議長は「内容が全く変わっていないので、今回は断腸の思いで当初予算に反対する。義務的経費は執行できる」と話し、岡本市長が昨年6月の定例会で削除された関連予算を再議という手法で通したことに警戒感を示した。
複合施設の関連予算は、実施設計の委託料など9222万円に加え、「忍者市プロジェクト事業」として2階の一部を忍者体験施設にするための設計、製作、運営の業務委託費2156万円も計上した。昨年9月の定例会で補正予算として追加提案したときは、議会が賛成10人、反対13人で否決した。
他の主要事業は次の通り。
▼成瀬平馬家長屋門の保存修理を行う19年度実施分の工事費4582万円
▼上野東町ポケットパーク整備工事の19年度実施分5859万円
▼旧消防本部庁舎を改修し、(仮称)伊賀市総合福祉会館に整備するための工事費2億502万円
▼上野西小体育館の大規模改修工事1億5149万円
▼新居小学校体育館の大規模改修と運動場・遊具などの整備工事費1億2315万円
▼小学校給食センター建設事業13億2331万円
▼住民自治協議会の事業を支援するためのキラッと輝け応援補助金1050万円