名張市教育委員会が2016年度から5か年で進めている「市立小中学校の規模・配置の適正化後期実施計画」について、市教委は1月15日の市議会全員協議会で、20年度末までの進め方や方針を説明した。旧名張桔梗丘高校跡地への設置を目指していた施設一体型の小中一貫校「(仮称)桔梗学園」の構想を見送り、校区を再編した「(仮称)新桔梗が丘中学校」(以下「新桔梗中」)を20年4月に同高跡地へ開校する。【2020年度から(仮称)新桔梗が丘中学校となる旧名張桔梗丘高校の校舎=名張市桔梗が丘7】

 説明によると、新桔梗中の校区は、現在の桔梗が丘中に通う桔梗が丘小と蔵持小に、桔梗が丘南小と桔梗が丘東小(ともに北中校区)を加えたエリアに。これに伴い、北中の校区は薦原小、美旗小、すずらん台小となる。19年度に北中に在校する桔梗が丘南小・桔梗が丘東小出身の1・2年生には、いずれの学校に通うか希望を聞き、卒業まで同じ学校に在籍できるよう経過措置をとる方針。

 市教委では年度内にも、新桔梗中の概要を協議する「校区再編準備委員会」を立ち上げたい考えで、旧名張桔梗丘高の施設整備費は新年度予算に計上する見通し。現在の桔梗が丘中の校舎・施設の利活用については未定だという。

【全員協議会で実施計画の進め方について説明する上島教育長(前列左から2人目)】

 構想を見送った理由について、上島和久教育長は「社会情勢の変化などで、子どもの人口減少が当初の予測よりも緩やかになってきた。時期尚早で、ハードルが高かった」と説明。今後については「実施計画にはいったん区切りをつけるが、小中一貫教育の取り組みは、出前授業などで小中学校の交流を引き続きやっていく」とコメントした。

 また、児童数の減少により近隣校との統廃合を検討していた薦原小は、統合先(美旗小)が地理的に遠く、地元の合意が得られていないため、箕曲小は、人口増減の予測が難しいことなどから、当面は統廃合を見合わせる。桔梗が丘東小、すずらん台小も、現在の児童数を当面維持できる見通しのため、単独で存続する。

 校区再編では他に、蔵持小校区の鴻之台1番町が、20年度から名張小校区に変更となる。新桔梗中・北中と同じく、在校生と19年度入学予定者には経過措置をとる予定。

 実施計画は10年度から14年度までを前期、16年度から20年度を後期と位置付け、前期計画にあった滝之原、国津、錦生の3小学校は既に近隣校と統合。後期計画は、策定後、地域住民や保護者らの声などを踏まえ、17年8月に内容の一部を見直している。

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