身近な地域を実際に記者が歩いて巡る「てくてく歩記」。春の代名詞・桜は見頃のピークを過ぎた地域が多く、既に初夏に向かっているような陽気です。今回は、伊賀市の古山地区と花垣地区を巡る約6・6キロのコースです。(取材・山岡博輝)
伊賀市内で夏日を記録していた4月3日、古山地区市民センター(同市蔵縄手)前が今回のスタート地点。すぐ隣にある吉田寺では何本もの桜が見頃を迎えていました。
午後1時すぎに出発し、まずは旧名張街道の東側に並行する農道へ。田のあぜには、タンポポの黄色に混じり、ナズナの白、オオイヌノフグリの水色なども目につきます。近年新築されたという真新しい本堂が目を引く光明寺には鐘楼堂もありました。
古山界外と菖蒲池の境付近から、菖蒲池の西出集落への小道へ。集落の一角で、チューリップとスイセンが見事なコントラストを見せていましたが、チューリップは民家の庭先にあるため、土手に咲くスイセンだけカメラに収めました。
家々の間を下り、西に折れて国道368号をくぐると涼しい風が吹き抜けていきます。普段は車で国道を通過することが多いだけに、歩いて下を通るのは新鮮な風景でした。のどかな風景を進んでいくと、予野の上出集落が見えてきました。
【写真2枚目 集落入り口に桜の“アーチ”=伊賀市予野】
県道とのT字路は、道の両側にある満開の桜でさながらアーチのよう。玄関先の掃除をしていた年配の女性とあいさつを交わすと、「ご出勤ですか」と思わぬ投げ掛け。立正寺下の交差点脇にある老人クラブの花壇では、色とりどりの花々が出迎えてくれました。
【写真3枚目 色とりどりの花が咲く老人クラブの花壇=伊賀市予野】
花垣の八重桜へ
信号交差点を南へ折れると、予野川にかかる宮前橋周辺の桜並木に目を奪われます。隣り合った池辺寺、花垣神社から「花垣の八重桜」の看板に従って裏手へ。小公園になっている丘には、県天然記念物だった原木の後継樹を囲むように、さまざまな種類の桜が満開を迎えていました。
今度は古山方面への広い道へ。時折、大型車も通るので注意が必要です。予野川を何度か渡ると湯屋谷の集落が見えてきます。集落南側の川沿いには十数本の桜があり、のどかな風景にしばし浸りました=1枚目の写真。
集落外れの蓮徳寺を過ぎると国道の高架が見え、高台にある田守神社の御旅所から保育園の方角を眺めると、やはりここにも満開の桜がありました。午後3時すぎにスタート地点へ帰還。歩数計は8985歩でした。
花粉症の方にはつらい時期が続きますし、これからは気温も上がり、熱中症などに特に注意が必要になってきます。ですが、季節の花々や表情の変わる風景を求めて、ぜひ身近な場所の再発見に出掛けてみてください。