目的「ほぼ達成」 啓発活動は継続

▲入力業務の中断を知らせる、 県乳がん検診ネットワークの ホームページ

 三重乳がん検診ネットワークは今年3月、2005年から続けていたマンモグラフィ検診結果の登録ファイルへの入力を中断した。事業継続が困難になった理由を始め、既存のファイルの保管や利用、更にネットワークの今後について竹田寛理事長に話を聞いた。

 ――2017年3月末で、登録者数は13万7千人に達しました。約12年続けてきた事業を中断するのはなぜですか。

 県内の医療機関が連携して検診精度を上げる、乳がん検診の認知度を高める、という当初の目的をほぼ達成したというところで、一度区切りをつけようということになったからです。正直なところ、背景には人手が足りないということもあります。登録者が増えるに従って、医療機関側の作業、事務局での業務にも時間がかかるようになりました。そのため登録事業の部分は継続が難しくなったのです。

 ――当初の目的を達成という点についてお聞きします。啓発などで、乳がん検診については広く知られるようになりました。検診の精度についてはどのような取組みをされたのですか。

 県内の医療機関がデータを共有するシステムなので、各機関における検診の精度などに関する様々な項目を評価できました。問題となる項目について改善するよう勧告し、情報も公開した結果、各機関とも、一定の検診の質を確保できるようになりました。

 ――これまでは連携する県内の医療機関であればどこで検診を受けても一つのファイルに結果が登録されてきたわけですが、それが不可能になります。ということは、今後は決まったところで受けた方が良いということですか。

   ▲竹田理事長

 できるだけ同じ医療機関で検診を受けてください。保管されている過去のデータを参照することは、読影の助けになるからです。

 ――登録カード、個人のファイルはどうなるのでしょう。

 受診者のファイルは引き続き専用のサーバにて厳重に管理、保管いたします。過去の検診結果を知りたい場合には事務局にお問い合わせください。 その際、登録カードに記されているID番号が必要となりますので、カードはそのままお持ちください。

 ――今後の活動についてお聞かせください。

 これまで続けてきた、地域での公開講座などを中心にしようと考えています。地域での草の根的な啓発活動が乳がん検診の普及と質の向上に何より効果的だということが分かったからです。また、ただ単に「検診を受けて」というだけでなく、検診の正しい受け方や検診に関する誤解を解くなど、さまざまな情報を分かりやすく伝えていこうと思います。要請があれば手弁当でどこへでも参りますので、お知らせください。また、ネットワークの活動に協力いただける新たなイベント(注)も始まります。啓発活動を更に充実させていきたいと願っています。

 (注) 5月31日(水)西日本セブンスリーゴルフクラブ(松阪市嬉野島田町)で「第1回ピンクリボンチャリティゴルフコンペ」を開催。参加費2千円。プレー代6500円。収益の一部が同ネットワークに寄付される。
 問い合わせは同ゴルフクラブTEL0598・42・1212まで。

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 登録事業についての問い合わせは、同ネットワークTEL059・231・6033まで。

伊賀タウン情報YOU 2017年5月後半(700)号」より

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