カナダ編〈後編〉
本紙ライター・坪田多佳子
知識増やし、思い込みに気づく
海外でも展開するピンクリボン運動。他国の人たちと話すと、日本とは違った事情も垣間見え、考え方のヒントになることにも出会う。今回は、カナダ在住のミドルブロ美由紀さん=写真=との会話を紹介する。(M=美由紀さん、T=私・坪田多佳子)
T カナダではどんな風に検診を受けてる?
M 州によって制度が違うけど、ここブリティッシュコロンビア州では40歳以上はマンモグラフィー検査が受けられる。一度受けると自動登録されて毎年お知らせが来るの。カナダではファミリードクターの制度があって、検診の結果はそちらへも報告される。
T 通知があるのはいいね。ファミリードクターが情報を共有するシステムも。日頃、こういった検診や乳がんが話題になることはある?
M 友人たちと話すことは多いかな。実は、「胸が小さいから乳がんにならない」「乳がんの家系じゃないから受けない」と言った友だちがいたの。でもそれは違うでしょ?説明をして検診を勧めたら、初期の乳がんが見つかったのよ。
T そういうこともあるんだ。
M 授乳中に、乳がんが見つかったという話も聞いたわ。彼女、ファミリードクターからは乳腺炎と診断されていたの。でもどうしても納得できなくて、かなり強くお願いしてマンモグラフィー検査をしたんだって。そんな風に自分で考えることも大事だと思うな。
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思い込みに気づく、知識を増やす――。そんなきっかけは、何気ない会話の中にもあるようだ。さまざまな方向にアンテナを張れば、自分の身体に向き合う機会も増えていくに違いない。
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ミドルブロ美由紀さん(53) グラフィックデザイナー。家族はカナダ人の夫。カナダ・ブリティッシュコロンビア州在住。
「伊賀タウン情報YOU 2017年1月後半(692)号」より