身近な地域を実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。梅や桜の季節は終わりましたが、まだまだ四季の花々が楽しめる伊賀地域。今回は、伊賀市大山田地区の西部、服部川南岸を歩く約6・8キロのコースです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 服部川南岸に広がる菜の花畑】
伊賀地域では快晴の空模様となった4月15日、同市平田のせせらぎ運動公園駐車場を午前10時にスタートし、服部川を渡って南へ。気温は約15度ですが、強い風が吹き続けています。以前、ここから東側の富岡、出後などを歩いたことがありましたが、今日は西へ向かいます。
【風に泳ぐこいのぼり】
公園の手前を右に折れ、葉ばかりになった桜の並木を横目に平田の中島集落へ。もうすぐ端午の節句、こいのぼりを揚げている家が2軒ほどあり、強い風を心地良さそうに受けていました。水車小屋のある坂道を上ると人家が途切れ、立派な「野台の地蔵堂」で少し休憩しました。
【中島の山手から望むと中央に地蔵堂がある】
2車線の道路に出たところを西へ。道路脇は松や竹の林ですが、その向こうに見える山は春らしく、「山笑う」という季語がぴったりの模様を見せています。林が途切れると強い横風。草むらでゴソゴソ動くのはトカゲでしょうか。
【真泥池の周囲にはツツジも】
今度は友生方面への道を南へ。やぶの中にはコバノミツバツツジが咲く一方、小道の入り口には「マムシ注意」の看板がありました。駐車場脇の砂利道を進むと、金網と竹林の間から真泥池がちらっと見えてきます。北岸の堤まで来ると、広々とした池と、北側に広がる炊村や千戸方面を一望できました。
【真泥池の堤から真泥、炊村、千戸方面を望む。ところどころに菜の花畑が見える】
今度は坂を下って真泥の集落へ。強い風が吹き上げてきますが、寒さは感じません。黄と白のスイセンが咲きそろった角地の畑から、水路沿いに集落の北辺を西へ進んでいきます。ふと水路から「バシャッ」と大きな水音が。のぞき込むとコイのような魚影が動いていました。
北へ進路を変え、服部川にかかる真泥橋のたもとへ。記者は小学生のころ、貝などの化石を探しにこの近辺の川原へ来たことがあり、少し懐かしく思えました。川の南岸を東へ進み、真泥大橋南詰から更に南岸を行くと、今回最も楽しみにしていた「黄色」の風景が広がっています。
行政バスの停留所付近から東は、道の両脇ほとんどが菜の花畑。一面の黄色と春の香りに包まれ、とてもぜいたくな気分になりました。白いチョウが「選び放題!」とでもいうように自由に飛び回っていました。菜の花畑の中には小鳥もたくさんいるなか、大きなサギが1羽、悠然と歩を進めていました。
元来た道に戻り、ちょうど正午のサイレンが鳴るころにスタート地点へ帰着。歩数計は1万325歩でした。もうすぐ田植えの時期に入って農村の風景も一変します。初春から晩春、そして初夏へと、季節が着実に移り変わっていることを実感するウォーキングになりました。
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