4月に控える名張市長選挙との同日選挙実施の是非を問う名張市議会(定数20人、欠員1人)の自主解散決議案が3月定例会最終日の9日、提案され、議長を含む全19人が特別多数決に臨んだ結果、地方自治法が定める出席議員の5分の4以上の賛成を満たさず、否決された。【自主解散決議案の採決で起立する議員たち=名張市で】
決議案は、同日選挙など諮問された5項目を検討する議会改革特別委での議論は賛否がまとまらず、決議案の成案化に至らなかったことから、副委員長の細矢一宏議員ら6人が連名で提案した。財政非常事態宣言中の都市振興税導入や、実施を求める地域からの要望書などを理由に、投票率減少への歯止めと選挙経費節減を掲げた。
採決前の質疑や討論では、「財政難を理由にするなら議員の定数と報酬削減の議論をしっかりした上で解散とすべき」や、市議選が市長選に埋没するなど弊害が生まれる可能性や検討不足を理由に時期尚早を訴える反対意見が上がった。「市民意見を反映させるのが議員の仕事だ」と民意を汲むよう訴える賛成意見も挙がっていた。
起立採決の結果は、賛成12人、反対7人。賛成したのは、福田博行議長、足立淑絵議員、阪本忠幸議員、山下登議員、田北利治議員、富田真由美議員、常俊朋子議員、豊岡千代子議員、細矢一宏議員、三原淳子議員、吉住美智子議員、川合滋議員。反対は、幸松孝太郎副議長、柏元三議員、森岡秀之議員、吉田正己議員、浦﨑陽介議員、永岡禎議員、柳生大輔議員。
就任時に同日選挙実施を提案した福田議長は否決を受け「非常に残念だが、議会の意思として受け入れざるを得ない。だが賛成者が過半数であり、本来であれば実施は市議会全体の意思なのだと感じた」と述べた。
他にも市議会ではこの日、市が提出した2018年度一般会計当初予算など26議案を可決、議員提案の議員定数を2人減らし18人とする条例改正案を否決し閉会した。請願は公共交通システムの再構築を求める請願の1件を採択した。