東大寺二月堂の修二会(お水取り)で使われるたいまつ用の木を山から切り出し、加工して組み上げる「松明(たいまつ)調製行事」が2月11日、名張市赤目町一ノ井の極楽寺とその周辺で行われ、地元住民や高校生ら百数十人が汗を流した。【たいまつに加工するヒノキの前に集まる「伊賀一ノ井松明講」の講員ら=名張市赤目町一ノ井で】
名張から東大寺へのたいまつの調進は700年以上の歴史があるとされ、近年は地元住民らによる伊賀一ノ井松明講(清水重達講長)を中心に、市民団体「春を呼ぶ会」や高校生らも参加して伝統を守っている。
参加者たちはこの日、午前8時ごろから同寺南方の山に入り、たいまつに使う樹齢約120年のヒノキの前で読経した後、チェーンソーなどで切り倒し、80センチほどの長さの丸太にして山から運び出した。境内では、なたなどを使って表皮をはぎ、長さ36センチ、幅9センチ、厚さ9ミリに近づけるように割りそろえていった=写真2枚目。
この日の作業には、名張高校サッカー部の部員やマネジャー、地元・錦生赤目小学校の児童有志らも参加し、講員らから手ほどきを受けながら、慣れない手つきで作業に取り組んでいた。
組み上げられたたいまつは、調進の無事を祈願する3月10日の法要を経て、同12日の「松明調進行事」で東大寺へ運ばれる。