伊賀市が近鉄伊賀神戸駅(同市比土)から数百メートル離れた場所に借りた土地の面積や契約期間、金額の妥当性に問題があり、契約の経緯が不透明だなどとして市議会は12月定例会最終日の21日、関係者からの聞き取りや記録の提出を請求し調査する地方自治法に基づく百条委員会の設置を全会一致で可決した。【市がバス転回場として借りた民有地=伊賀市比土】
市が借りた土地は広さが約3000平方メートル、契約期間が今年1月から19年3か月、金額が月額約36万円。同市ゆめが丘に誘致した企業の従業員送迎バス転回場などとしての利用を目的としている。
借地の契約締結は昨年12月。市が中岡久徳議員(69)を通じて交渉していたことや、土地の所有会社に中岡議員の親族が同年10月まで役員を務めていたこと、所有権移転前の別の会社も議員の他の親族が役員を務めていることが9月から審議している総務常任委員会などで明らかになっている。
強い調査権を持つ百条委の設置は委員8人の総意で提出。提案理由では、市側が「関係者との交渉記録がない」「意思決定過程の分かる内部記録がない」などとしたため、詳細な経緯を把握できないと説明した。
中岡議員はこの日、体調不良で本会議を途中退席し、百条委設置の採決時は議場にいなかった。閉会後の電話取材に対し「行政に働きかけなどはしていない。(百条委で)堂々と答えていく」と話した。
この日は追加提案された議案を含む35件のうち34件を可決、同意したが、行政組織条例の改正案は賛成少数で否決した。川上ダム水利権量を可能な限り減らすことを求めた請願は賛成少数で不採択となった。