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日本画の生命線 一貫した墨と線の世界 松永隆雄さん

171118_11.jpg 「日本画で大事なものは、生命力あふれた"線"であり、線にこだわり続けることを教えられ、一貫して墨と線の世界を追求しています」。名張市新田の画家、松永隆雄さん(79)の日本画展が、11月18日から30日まで伊賀市上野福居町の「アートスペースいが」で開かれる。午前11時から午後6時まで、入場無料。【自作の「夏富士」と「菊」を紹介する松永さん=名張市新田で】

 日本画家の小松均さんに師事し、今までに日本美術院展覧会の本展で13回、春季展で19回入選。永遠のモチーフになっている「富士山」の作品の中には「山の裏側まで描く」ため、山の輪郭を2重の線で表現する独特の手法を考案、「夏富士」を立体的に描いている。

 墨一色で描かれた作品が多い中、ひときわ目立っているのが色彩豊かな菊の絵。自宅横の畑で妻が育てた菊で、「手を加えず、地面をはうように自然に咲いている姿を描いた」という。

 会期中は他に、線だけで躍動的な波の姿を表現した紀伊長島の「磯」や、最新作の和歌山県串本町の「橋杭岩」、植物や魚を銅板に描いたエッチングなど、約40点が並ぶ予定。

 松永さんは「20代の初め、1枚の絵を見て感動したのがきっかけで、画家を続けることになりました。若い人に作品展を見て頂き、何か感じ取ってもらえたら」と話した。

2017年11月11日付711号2面から

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