能楽を大成させた観阿弥の「創座の地」を謳う名張市で、その起源を検証する講座「観阿弥の伊賀創座説をめぐって」が11月18日午後2時から、同市蔵持町里の武道交流館いきいきで開かれる。入場無料、先着100人。
講座は皇學館大学と同市、市教委の共催で、年2度の「ふるさと講座」。講師は中世文学を専門にする同大学文学部国文学科の深津睦夫教授。
市では観阿弥の妻の出身地である上小波田地区に、能舞台を設けた観阿弥ふるさと公園があり、毎年11月の第1週には「観阿弥まつり」を開催し、その功績を顕彰している。敷地内にある1969年建立の「観阿弥創座之地」と記した記念碑には「伊賀小波田にて座を建て初められし時」とする申楽談義の一文を引用し、同地区とのつながりを伝えている。
一方で、学会では観阿弥が座を為した地は上小波田とする伊賀説と、山田猿楽の大成した奈良県とする大和説の2説があり、研修者の中でも議論が分かれているという。講座では文献や資料を読み解きながら、両論それぞれの真偽性や問題を検証する。
問い合わせは、市教委文化生涯学習室(0595・63・7892)へ。