台風21号の接近に伴い降り続く雨で、土砂災害が起こる可能性が高まったとして市内全域に避難勧告を発令した伊賀市では、10月22日午後10時時点で18か所の避難所に計65人が避難。名張市でも同11時時点で12か所に112世帯222人と、鉄道の運休に伴う帰宅困難者も身を寄せている。
県が「地すべり防止区域」に指定している伊賀市の府中地区と三田地区の一部のうち、府中小学校体育館(同市東条)には午後11時30分現在、11人(男性2人、女性9人)が一時身を寄せている。同区域では累積雨量が140ミリを超え、近くを流れる柘植川の水位が上昇。河川のはんらんを心配して体育館で不安な夜を過ごしている人もいた。
名張市では午後7時45分ごろ、箕曲中村で宇陀川の水が堤防を越え、川沿いの県道赤目滝線の一部が冠水したため、右岸の戸建て8世帯と集合住宅36世帯が避難した。宇陀川と名張川の合流点付近に位置する市街地の名張地域では、午後11時現在で名張中学校(同市丸之内)に55世帯102人が避難している他、近鉄大阪線の運休によって名張駅で足止めされた乗客56人も受け入れている。
また、伊賀市の上野東小学校付近で80代の女性が風にあおられて転倒し、あごに軽傷を負った他、名張市緑が丘ではカーポートの固定作業をしていた70代の男性が転倒し右足を負傷した。
国土交通省などによると、降り始め(21日午前3時)から23日午前2時までの雨量は、名張市で358ミリ、伊賀市で246ミリとなっている。
※10月23日午前2時45分追記