名張市立百合が丘小学校(同市百合が丘東9)の5年生85人が9月25日、春に自分たちの手で植えた稲を収穫した。地元のボランティアや教員に教えてもらいながら、鎌を使って1株ずつ刈り取りに汗を流した。【稲を刈る児童ら=名張市青蓮寺で】
田植えから収穫まで、米作りの体験を通じて食の大切さや収穫の喜びなどを感じてもらおうと、7年ほど前から総合学習の時間を利用して5年生が取り組んでいる。5月下旬、校区内の同青蓮寺にある約700平方メートルの田にコシヒカリの苗を植え、同小の学習支援ボランティアらが水の管理や草刈りなどを手伝ってきた。
台風の影響で予定より1週間遅れの収穫となったが、この日午後1時30分ごろから始まった稲刈りでは、児童たちが鎌の使い方や稲の束のそろえ方などを教わりながら、順調に30分ほどで終了。児童たちは「最初は難しいけど、慣れてきたら簡単にできた」などと感想を話した。
田を管理する雪岡弘雄さん(74)によると、鹿やイノシシ、スズメなどの鳥獣に悩まされたりもしたが、「実入りは上々」だという。雪岡さんは「身近にある米がこうやって育ち、どうやって口に入るのか、若いころから知っておいてほしい」と願っていた。
収穫した米は、ボランティアや地域の人たちを招いて11月に開く「収穫祭」でおにぎりにして皆で味わう予定。