来春閉校する県立名張桔梗丘高校(名張市桔梗が丘7番町)の第20期卒業生で、「そこのみにて光輝く」「きみはいい子」などの作品で知られる伊賀市出身の映画監督・呉美保さんが9月8日、同高文化祭に登場し、高校時代の思い出や後輩へのメッセージを語った。【生徒からの質問に答える呉さん(右)=名張市松崎町で】
名張西高校(同市百合が丘東6番町)との統合により45年の歴史に幕を下ろす名張桔梗丘高では今年、卒業生らを招いた全5回の「Last Run講演会」を5月から開催しており、今回が4回目。5月にはアニメ「ドラえもん」などで知られる伊賀市出身の声優・水田わさびさん、6月には第1期卒業生が登壇し、11月22日(水)には締めくくりとして「創立記念コンサート」が開かれる予定。
この日午前には、生徒や教員らが呉さんの最新の長編「きみはいい子」を鑑賞。午後1時からの講演会は、呉さんが生徒代表2人から質問を受ける形で進んだ。呉さんは高校時代から映画監督を目指していたわけではなく、幼稚園の先生かマスコミ・映像関係の仕事をしたいと考えていたこと、2年間在籍した陸上部で、同じ目的を持って頑張る楽しみを味わえたことなどを思い出として挙げた。
【写真2枚目 生徒から花束と記念品を受け取る呉さん】
受験を控える生徒たちに向け、呉さんは「当時も今も絵を描くのは下手なので、大学入試では実技以外の勉強をすごく頑張ったと思う。でも受験が全てではないので、迷っている時間は大事だし、勢いで何かに飛び乗ったり、自分の感覚を信じてやってみるのもいい」と自分なりのアドバイスを贈った。